大阪で生まれた自動改札機

日本初・大阪発祥のものとして有名なのが、駅の自動改札機の導入です。

1967年に大阪府の北千里駅に設置され、その後、日本全国に普及し現在では生活の一部になっている自動改札機。
これは、大阪大学、オムロン(旧立石電機)、近畿日本鉄道、阪急電鉄の4者によって開発され、実用化につながりました。

昔は、駅員が改札口でパンチというハサミで切符に切り込みを入れ、乗車と下車の確認をするというシステムでした。定期券も駅員が確認していました。
そのため、通勤ラッシュ時には改札口に長蛇の列ができ、ケガ人が出ることも少なくなかったようです。

こうした現状がある中、1970年には大阪万博を控えていたため、自動改札のシステムはより必要性が高まっていました。また、当時世界的にみると、切符のみの自動改札機は稼働していましたが、定期券に対応する自動改札機はなく、定期券が使えるシステムが必要とされている状態だったそうです。

そんな中、1967年3月1日に北千里駅に10台の自動改札機が設置されました。設置当初は、定期券入れごと挿入したり、紙幣を挿入するなどのトラブルが後をたちませんでしたが、次第に人々に認知されるようになっていきました。

自動改札システムを成し遂げた、大阪大学、オムロン、近畿日本鉄道、阪急電鉄には、アメリカに本部を置いている世界最大の電気・電子技術者による学会から、2007年に社会に貢献した歴史的偉業として「マイルストーン」賞が贈られたそうです。

大阪発祥のこのシステムは、高度経済成長期の大きな変化の象徴だといえるでしょう。